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賃貸借契約締結後のキャンセルは有効?

2020.04.21

賃貸管理


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お部屋を借りる際の賃貸借契約を締結した後、

「上京する予定がなくなった!」
「別の会社から内定をもらったので、契約したお部屋とは違う場所のそちらの会社に就職することにした!」
「単身赴任がなくなった!」

などの理由で、契約自体をキャンセル(白紙撤回)したいといったケースがあるかと思います。

「いやいや、まだ住んでないんだからキャンセルできるでしょう?」

果たしてそんな主張は認められるのでしょうか?

目次

  1. 1.キャンセルと解約は違う?
  2. 2.賃貸借契約が成立したと判断されるタイミング
  3.  2-1.口約束でも契約は成立?
  4.  2-2.契約書類の取り交わしをしたとき
  5.  2-3.鍵の引き渡しが完了したとき
  6. 3.キャンセルする場合の扱い方と交渉
  7. 4.今日の一句

1.キャンセルと解約は違う?

契約の「キャンセル」と「解約」は根本的に異なります。
また、「解約」も「通常(合意)解約」と「白紙解約」で異なります。

それぞれをまとめると、

キャンセル:契約行為を取りやめること
通常解約:契約にのっとり解約手続きをすすめること
白紙解約:契約自体がなかったものとすること

です。

お部屋を借りる方からすると、そのお部屋に住む事情がなくなった場合は「白紙解約」が望ましいかと思います。
しかし、白紙解約が成立するのは、どちらかが契約の履行を行わなかったり、何らかの過失があったり、双方が白紙解約に合意できた場合などに限られます。

そもそも契約は成立しているという前提においてです。

それでは一体どのタイミングで契約が成立しているのでしょうか?

2.賃貸借契約が成立したと判断されるタイミング

民法上の契約成立と、宅建業法上・慣習上の契約成立はタイミングが異なると私は考えます。

2-1.口約束でも契約は成立?

民法上では口約束でも契約は成立すると定められています。

「このお部屋借ります!」
『ありがとうございます!どうぞ!』

これで契約成立です。
しかし、あくまでこれは貸主と借主が直接口約束した場合に限ります。

一般的には仲介業者が間に入っていることが多いですので、口約束だけでは契約の成立を主張できません。

契約締結の前に「重要事項説明書」の説明をしないといけないからです。

なので、一般的な仲介という立場の不動産屋さんでは口約束では契約は成立しません。

ただし!貸主がその不動産屋の場合は重要事項説明は(重要事項説明書の作成も)不要になるので口約束でも契約成立を主張できることがあります。
まあ、そこまで執拗に契約を迫る不動産会社とは取引しない方がいいと思いますが、しっかりと事前に確認するようにしてくださいね。

2-2.契約書類の取り交わしをしたとき

あくまで一般的な不動産屋で不動産の賃貸借契約を締結する場合は、前述したとおり、必ず契約前に「重要事項説明」を行わないといけません。
契約の流れとしては、

1.重要事項の説明
2.契約書記名・捺印
3・契約金の支払い

といった流れになります。
※3の契約金については、重要事項の説明前に予め支払うように言われる場合もあります。

このどのタイミングで契約が成立するのでしょうか?

正解は「1」を事前に行った上での「2」です。

「契約金はまだ払ってないんだから契約は成立していないだろ!」

じゃなく、それは借主が契約成立後の契約の履行をしていないというだけです。

つまり、契約締結前書面(重要事項説明書)の作成と説明をしっかりと行い、賃貸借契約書に記名・捺印が完了した時点で契約は成立しています。

2-3.鍵の引き渡しが完了したとき

上記「2-2」で、契約書面の取り交わしが完了した時点で契約が成立しているのに、どうしてこの「鍵の引き渡しが完了したとき」が出てくるのでしょうか?

まずは過去にあった判例を見てみましょう。

マンションの一室について、貸主との間で賃貸借契約書に記名押印をした借主が、貸室の入居日は決まっておらず鍵の引渡を受けていないことから未だ契約は成立していないとして、貸主に支払った契約代金の返還を求めた事案において、借主の主張はいずれも契約成立要件にあたらないとしてその請求を棄却した事例(東京地裁 平成29年4月11日判決棄却 ウエストロー・ジャパン)

その原告によると、契約を締結していても、その最終的な履行がなされていない(鍵の引き渡しを受けていない)から、契約は成立しないはずだ!という主張。
実はこれより前にもいつだったかの記憶にはありませんが、「鍵の引き渡しをしていないから契約が成立したとはみなされない。」という判決があったようななかったような、そんな話を聞いたことがあります。

「契約の履行」を契約の成立とするのか、「契約の履行に着手」を契約の成立とするのかといった点が争点でしょうね。

この原告の請求は棄却され、鍵の引き渡しが完了していなくても賃貸借契約は成立しているという判断が下されました。

判決の要旨はこちらです。

XとYは、平成27年6月15日に、Xが本件建物をYに住居として使用させることを約し、Xがこれに対して月額64,000円の賃料を支払うことを約することを内容とする本件契約書に記名又は署名及び押印をしてこれを取り交わしているのであって、その旨合意していたことが明らかであるから、本契約は、その時点において成立したと認められる。

その上で、敷金などはもちろん返還するべきだという判決が出ています。

入居前に伴う解約時精算項目として、敷金・家賃(引渡未実施)・月額引落手数料(引落未実施)・アパート保険の保険料(未加入)・鍵交換費用(鍵引渡未実施)等は、借主に返還される金員である

紹介させていただいたこの判例の原告の方は、控訴されているようですが、その後に興味のある方はご自身で調べて見てください。

上記より、基本的には契約書類の取り交わしが終了していれば契約成立。
鍵の引き渡しがされていれば契約終了?完了?進行?確定?そんな感じです。

3.キャンセルする場合の扱い方と交渉

契約締結後の入居前に、やはりそのお部屋に住まなくなったため契約を「解約」する場合、「契約金全額を返してくれ」なんて暴論は通用しないのですが、一部のお金は返金をしてもらえる可能性があるということが分かっていただけたでしょうか?

全額戻してもらえるかもしれないお金の一部を書き出してみようと思います。

・火災保険料、保証会社委託料
 火災保険や保証委託契約自体が終了していなければキャンセル可能かも。
 保険や保証が開始してしまっていれば解約扱い。(火災保険料は解約に伴い返戻金が戻ることも)

・鍵交換代
 鍵の交換、もしくは発注が終了していなければキャンセル可能かも。

・敷金
 まだお部屋を一切使っていなければ、クリーニング特約などがある場合でも全額返金可能かも。

これ以外に賃貸借契約で「短期解約違約金」や「契約開始前解約損害金」などが定められている場合も、やはり契約として成立している以上、支払いを免除してもらいたい場合は交渉となりますが、最終的には貸主の判断次第となります。

出来るなら色んな交渉をやった方がいいと思われるかもしれません。

しかし、どういった事情であれ、お部屋の契約をキャンセル(解約)する場合は、お部屋の申込から契約、そのご入居待ちまで、他の方へのお部屋のご紹介を止め、引き渡しに向けて進んでいた貸主の事情(契約の履行に着手し、機会損失による損害を被っている)をしっかりと理解した上で、慎重に行うようにしてくださいね。

それを踏まえた上での交渉であり、相談となってくることも頭に入れておきましょう。

4.今日の一句

『契約は 未成年じゃ 結べない 大人の為の 権利と責任』

今回の新型コロナウイルスの影響での「コロナキャンセル」は、飲食店やイベント会場などだけじゃなく、不動産業界においてもたくさん出てきています。

事業用物件に限らず、居住用物件でも。
私個人だけでも既に3件ほど。

契約は軽いものじゃありません。
しっかりとした知識を頭に入れて、責任をしっかりと果たし、その後の権利を獲得していきましょう。

弊社では全社員が宅地建物取引士の有資格者です。
また、不動産コンサルティングマスターや、住宅ローンアドバイザー、賃貸不動産経営管理士などの有資格者が賃貸・売買問わず、お部屋探し・賃貸管理のお手伝いをさせていただきます。

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【ルームキューブ代表 榎本敦史の賃貸管理】
家賃滞納の督促が不動産業界の入り口。その家賃の回収から入居審査、立ち退き交渉など、様々な入居者の方の人生模様に触れ、不動産管理会社のあるべき姿を模索し、ルームキューブを起業する。不動産投資のおまけのように扱われる不動産管理会社の仕事の大切さを知ってもらうために、収支改善、資産価値向上、コスト管理に空室対策といった分野で独自のアイデアを活かした賃貸管理サービスを提供している。


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