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返済比率とキャッシュフローの微妙な関係。

2019.12.19

不動産投資の罠


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不動産投資って私個人的には感覚で考えてしまいます。
というのも、長年賃貸仲介をやってきたので、成功する物件が分かるというかそういったセンスみたいなものがあるかと思います。

しかし、本来は考えないといけないことはもっとたくさんあります(笑)
区分よりも一棟なら尚更多くなります。
借入をしているならばまたもっと。

今回はそんな不動産投資を分析する際に必要となる要素の一部、「返済比率」と「キャッシュフロー」について考えてみたいと思います。

【あわせて読みたい記事】
初めての不動産投資は格安区分分譲マンションを。
大家業は青色申告がいい?
「成功した不動産投資」よりも「失敗した不動産投資」を知る。

目次

  1. 1.「返済比率」「キャッシュフロー」とは?
  2. 2.返済比率は気にしなくていい?
  3.  2-1.キャッシュフローが長期で見込めるとき
  4.  2-2.出口戦略が描けるとき
  5.  2-3.節税効果が大きいとき
  6. 3.まずはやってみることが何よりも大事!
  7. 4.今日の一句

1.「返済比率」「キャッシュフロー」とは?

簡単な頻出単語なのですぐに覚えてしまいましょう。

返済比率:借入金返済額と賃料収入の割合のこと
例:賃料収入100万円、返済額50万円の場合の返済比率は50%。

キャッシュフロー:賃料収入から借入金返済額と経費を引いた手残り額のこと
例:賃料収入100万円、返済額50万円、経費20万円の場合のキャッシュフローは30万円。

まずはこれを頭に入れて読み進めていきましょう。

2.返済比率は気にしなくていい?

返済比率の目安はどれくらいが理想なのか?
「40%程度に抑えないと。」「いっても50%だろ」
こうやって考える人がいますが、正直、目安はあくまで目安です。

そんなことよりも空室リスクや賃料下落リスクの方が怖いです。
そもそも利回りもそうですが、返済比率は「満室想定」「査定家賃想定」で計算されています。

家賃が上がれば改善しますし、満室が続けば安定します。
しかし、家賃が下がれば少しずつ悪化しますし、空室だらけだと返済比率が云々の話でもなくなります。

ただ、返済比率が70%でいいのかという話ですよね?
そういった物件を誤って購入されている方も多くいらっしゃるかと思います。

考え方によってですが、苦渋の決断として、そういった場合においても、気にしなくてもいいかもしれないケースを以降で(無理矢理)考えてみたいと思います。

2-1.キャッシュフローが長期で見込めるとき

超人気のエリアにあり、空室リスクや賃料下落リスクとは無縁の場合、返済比率は気にしなくてもいいかもしれません。

例:都心一等地、コンパクトRCマンション、借入金5億円、金利2.5%、融資期間35年、満室時月額賃料250万円
月額返済額:¥1,787,476-
月額賃料収入:¥2,500,000-
返済比率:約71.5%
月額経費:¥200,000-(3万円の修繕の為の積立金含む)
月額キャッシュフロー:約¥500,000-(空室等機会損失分マイナス計算)

これが約20年維持できるいい物件であれば、

年間返済額:¥21,449,712-
20年での返済額:¥428,994,240-
20年間のキャッシュフロー:¥10,000,000-
※12年目に積み立ててきた約432万円で大規模修繕を行った。

20年後には残債が2.68億円程度まで減っております。
そしてこれを仮に4億円で売却出来れば、単純に計算すると、

4億(売却価格)-2.68億(残債)+0.1億(キャッシュフロー)=1.42億円

となり、何もせずに1億4,200万円の所得を得ることになります。
所得税を支払ったとしても「何もせずに」というところが不動産投資のいいところです。

こんな超優良物件を保有している場合は返済比率なんてどうでもいいですね!

2-2.出口戦略が描けるとき

返済と賃料収入のバランスが悪い場合においても成功するかもしれない不動産投資の例としては、「出口戦略」というものがあります。

上記「2-1」でご紹介させていただいたのも割とそれに近いのですが、もっと短期で出口が見える不動産投資があります。

例:土地で売却すると8,000万円と言われた土地に、2.5億円の建築費で賃貸マンションを建築、月間賃料収入200万円の場合。

事業費:8,000万円(土地値)+25,000万円(建築費)=33,000万円
年間賃料収入:200万円×12ヶ月=2,400万円
現状利回り:7.27%

これを表面利回り5%のほぼ新築満室物件として売却した場合、

売却価格:2,400万円(年間賃料収入)÷5%=48,000万円

これで、元々はただ8,000万円で売却するはずの土地に、ざっと7,000万円の利益が乗りました。

こういった短期間での売却益を狙える場合は、返済比率やキャッシュフローは軽視してもいいかもしれませんね。
まあ、今回の事例でいえば土地はそもそも持っている前提なので、返済比率もかなり抑えられていますので全く問題はないです。
土地も同時に仕入れていたとすると返済比率は2.5%金利だとすると7割弱となりますが、転売後の利益を見越せば微々たるものです。

ただ、あまりに売却益が出てしまうと、不動産の譲渡所得にかかる税金が大きく感じられるかと思いますので、賃貸付けや売却にかかる経費をきっちりと計上したり、可能であれば5年以上経過後の長期譲渡での税の軽減を図ることもお勧めします。

このように元々土地を所有していた場合や、たまたま安値で土地が仕入れられたときなどに、こういった出口を見据えて不動産投資を行うことも出来ます。
仮に建築費の融資期間が短かったり、知り合いに借りたりしていた場合でも短期で7,000万円の利益が出せるなら全く問題ないかと思います。

2-3.節税効果が大きいとき

「不動産投資で節税を」
なんて言いますが、正直さっぱり意味が分からない人もいらっしゃるかもしれません。

・赤字が出たことにして所得を減らして所得税を減らす。
・不動産投資の経費を計上して所得税を減らす。

なんて小さなものよりももっと大きな節税があるんです。
それが「減価償却」という方法です。
建物の建築にかかった費用を、その建物の構造による耐用年数に応じて毎年減価償却をかけていくのです。
そしてそれを自身の本業の所得にぶつけて年収を減らす(ように見せる)節税方法です。

木造新築や、耐用年数一杯に近い物件を買うと減価償却期間が短くなります。
その分、多くの金額を所得から減らすことが可能です。

例:耐用年数残り10年、5,000万円の区分マンション、年間賃料250万円、給与所得600万円の場合

所得額:600万円(給与所得)+250万円(賃料収入)-500万円(減価償却)=350万円

となり、今まで600万円の収入に対して所得税を支払っていたのに、今度からは350万円しか所得がなかったものとみなされます。
これは住民税の減税にも繋がりますので更に効果が大きくなります。

3.まずはやってみることが何よりも大事!

不動産投資を始める際に色々と勉強ばかりやって理論武装し、理屈っぽくなってしまう人の典型。
それは、「物件がない。」という焦る気持ちです。

「不動産投資をして不労所得を得たい!」
なんていう気持ちも先走ってしまうので、ついつい怪しげなセミナーで大きな借金を背負わされてしまう人も多いです。

まず、小さく始めてハンドリングを覚えるようにしましょう。

そのためのおすすめは、

・中古区分ワンルームリノベーション投資
・老朽戸建て再生リフォーム投資

かなと思います。

失敗しても痛くないようなもので、まずはやってみることです。

そして、キャッシュフローを出してみるんです。
出口戦略を描いてみるんです。
耐用年数があれば減価償却を取ってみるんです。

そうして学んでみて、ご自身にあった次なる一手を打っていくのです。
弊社ではそんな「失敗しない不動産投資」のお手伝いを得意としております。

4.今日の一句

『失敗を 恐れてばかりじゃ 始まらない 私たちと まず始めましょう。』

以前にも関連記事で書きましたが、不動産投資はそんなに「思い切って」やることではありません。
そもそもは安定資産なのですから、ローリスクであるべきなんです。

まずはご自身に合っているのかを、小さく試してみることがおすすめです。

是非、弊社にそんなお手伝いをさせてください^^

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【ルームキューブ代表 榎本敦史の賃貸管理】
家賃滞納の督促が不動産業界の入り口。その家賃の回収から入居審査、立ち退き交渉など、様々な入居者の方の人生模様に触れ、不動産管理会社のあるべき姿を模索し、ルームキューブを起業する。不動産投資のおまけのように扱われる不動産管理会社の仕事の大切さを知ってもらうために、収支改善、資産価値向上、コスト管理に空室対策といった分野で独自のアイデアを活かした賃貸管理サービスを提供している。


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